「処方箋」となり得る中国式民主

人民中国  |  2022-04-18

「処方箋」となり得る中国式民主。

タグ:中国式民主

発信時間:2022-04-18 10:40:38 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 拓殖大学教授 富坂聰(談)


 中国式民主を報道する際、欧米や日本などのメディアは「普通選挙権がない、少数民族の権利や利益を侵害している」などの否定的な見方をすることが多いが、これは西側諸国の民主制度と理念を機械的に中国に当てはめているだけであり、中国式民主と西側の民主の違いをあら探ししているにすぎない。西側社会は、中国式民主の原点の「全ての人々の生存権と発展権を保障する」という点について全く理解していない。 


 われわれはどの民主主義が完全に正しいと断言はできない。例えば「西側の民主こそが正義であり、中国式民主は正義ではない」といった、単純に白黒をつけようとする行為はまさに「短い定規で巨体を測る」ようなものであり、正解を導き出すことは永遠に不可能だ。 


 第2次世界大戦後、世界各国はこぞって民主主義を選んだ。なぜなら行き過ぎたナショナリズムが戦争をもたらし、自らの利益にならないと判断したためだ。この観点に沿うならば、どの民主主義が正しいかを判断する際には、それが国民の利益に合うか否かを見極める必要がある。 


 生存権保障から発展権保障に 


 中国式の民主主義には、生存権の保障と発展権の保障という二つの大きな特徴があると私は思う。生存権は国民に安心感を与えるもので、発展権はそこから一歩進んで、明日は今日よりも良くなると思わせるものだ。これらは国民の幸福感と密接に関係していて、自分が進歩し、人生に希望があると感じさせる要素となっている。これも人権における重要な部分と言えよう。 


 中国政府は貧困脱却という事業に、何世代にもわたって粘り強く取り組んできた。ここ数年の新型コロナウイルスとの闘いにおいては、ダイナミックゼロコロナの方針を貫いている。これらは間違いなく、生存権保障の具体例だろう。 


 また、最近の中国経済の政策の多くは、発展権の保護と密接に関係していることがうかがわれる。例えば今年の政府活動報告の中では、人々の収入増加と経済成長の同期が期待できる目標と、所得分配制度改善の課題が明確に示されていた。このことから、中国はもはやGDP(国内総生産)成長のみを追い求めず、中所得層拡大のための明確な目標と政策を持つことが見て取れる。 


 今、世界はボトルネックの時代に入り、突破口を求めている。ロシアとウクライナの情勢からも分かる通り、ボトルネックに陥ったときの人々の閉塞感と不安感は、状況をますます危うい方向へと進める。われわれはどのようにこの状況を打破すべきなのだろうか。昨秋、習近平国家主席は「共同富裕」の目標を強調し、岸田文雄首相も就任後に「新資本主義」を提唱した。このように貧富の差を縮め、中所得層を豊かにして拡大し、人々の発展権を保護するという点において、今の世界各国の目標は非常に似通っている。

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