国連安保理は5日、ウクライナ問題に関する会合を開いた。中国の張軍国連大使は、停戦を後押しし、紛争による人道への影響を最低限に抑えるための努力を強化するよう国際社会に呼びかけるとともに、ウクライナ危機の教訓は深く、真剣な省察に値することを指摘した。新華社が伝えた。
張大使は「NATOは冷戦後、東への拡大を繰り返した。これは欧州をより安全にしなかっただけでなく、紛争の種を残すことにもなった。NATOは防御的組織を自称しながら、恣意的に主権国家に対する戦争を発動して、数多くの死傷者と甚大な人道的災害をもたらしてきた」と指摘。
「各国の安全は不可分であり、他国の安全を犠牲にした自国の安全は道理的に通らず、現実的にも通用しない。冷戦はとうに終結したのであり、NATOは時勢の変化に基づいて必要な変更を行うのが当然だ。時代後れの安全保障理念に固執し、欧州、さらにはアジア太平洋及び世界規模で陣営間の対立を引き起こし、緊張を作り出すことに熱中するようなやり方は、他国を傷つけ、自国にも何の利益ももたらさない。中国はこれに断固として反対する」と強調した。
張大使は「世界は『新冷戦』を必要とせず、さらなる激動と分断を受け止める余裕はない。中国は、人類の安全における現実的問題を解決するとともに、世界平和への長期的道を追求するため、各国が国連憲章の趣旨と原則へのコミットメントを再確認し、安全保障の不可分性の原則をしっかりと堅持し、協議を通じて合意に達し、均衡の取れた、実効性のある、持続可能な世界と地域の安全保障構造を構築する必要性を提唱する」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年5月6日