米国はNATOの5回にわたる東方拡大を画策し、ウクライナの「カラー革命」を演出、ロシアの安全保障空間を極限まで圧迫した。その最終目標は、泥沼の戦争と制裁という棍棒でロシアを追い詰め、叩きのめすことだ。冷戦の産物であるNATOは、冷戦とともに過去の歴史となることなく、米国主導の下で陣営対立を争う軍事集団に変わりつつある。
事実、ジョージ・ケナンやキッシンジャー、ミアシャイマーなど多くの米国の戦略家は、ウクライナ危機に対して早くから警告を発しており、NATOの拡大は「歴史的な戦略の誤り」であり「最終的にウクライナは粉砕されるだろう」とみている。ウクライナ危機は徐々に今日の状態に至ったが、根本的な原因はやはり米国が冷戦思考と覇権主義から脱却できていないことにある。
米誌『グローバル・ストラテジック・インフォメーション』ワシントン支局長のウィリアム・ジョーンズ氏は単刀直入に指摘した。「米国とNATOはロシア側の不安に耳を傾けず、覇権の維持のみ気にかけ、冷戦終結後に約束したロシアとの協力政策に背き続けた」。ウクライナ人の生命に至っては、米国政府にとって真の関心事となったことは一度も無い。『アメリカン・コンサバティブ』誌の風刺的な見出しにあるように、「ワシントンはウクライナ人が最後の1人になるまでロシアと戦う」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月22日