中国外交部(外務省)の8日の定例記者会見で、汪文斌報道官は岸田文雄首相の中国による軍事演習に対する発言に関する質問に答えた。
【記者】日本の岸田文雄首相はこのほど、中国側が軍事演習で発射したミサイルが日本の「排他的経済水域(EEZ)」に落下したことを強く非難すると同時に、中国側がこの点を認めてはいないことに留意していると表明した。また、これを日本の安全保障と国民の安全に関わり、国際社会の平和と安定に深刻な影響を与えるものであるとした。この事について、中国側としてコメントは。
【汪報道官】我々は、日本側の誤った発言と不当な非難に断固として反対する。法律的にも、政治的にも、道義的にも、日本は台湾問題についてあれこれ言うべきではない。
1972年の中日国交正常化時に署名した中日共同声明は、日本政府が、台湾地区は中国の領土の不可分の一部であるとの中国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持すると、明確に定めている。
このところ日本が台湾問題であれこれ言うことは、まさか中日共同声明署名時の約束を忘れたのだろうか?中日関係の政治的な基礎を覆そうとしているのだろうか?中国の台湾地区に再び手を出す野心を抱いているのだろうか?これを利用して軍備を拡大し、「平和憲法」を放棄し、もう平和的発展路線は歩まぬつもりなのだろうか?日本側はこれらの問題について、国際社会に責任ある説明を行うべきだ。
中国軍の軍事演習がいわゆる日本のEEZに及んでいるとの日本側の主張についてだが、当該海域で中日の境界は未確定であるのに、日本のEEZとの話はどこから出てきたのか?台湾地区は中国の領土であり、中国が自国の領土の周辺海域で実施する正常な軍事演習は、公開された、透明性のある、プロフェッショナルなものであり、国内法、国際法、国際的慣例に沿っており、挑発者に対する警告であり、国家主権と領土的一体性を守る正当な行動でもある。
中国側は日本側に対して、両国関係をさらに損なうことのないよう、侵略の歴史を真摯に反省し、台湾問題の高度の敏感性を明確に認識し、中日間の4つの基本文書の原則及びこれまでの約束を厳守し、台湾地区関連の米国の否定的言動への附和を止め、「台湾を利用して中国を牽制する」米国の誤った行為への追随と協力を止めるよう促す。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年8月9日