草原の農牧民にまで広がる無償健康診断

人民網日本語版  |  2008-06-18

草原の農牧民にまで広がる無償健康診断。既に65歳を迎えた徐鳳山さんにとって、今年の5月はとりわけ印象深かった。同月、徐さんは自身の住む鎮の病院による全面的な健康診断を受け、1銭のお金も支払わなかった。検査の結果は徐さんの期待通り、特に問題は見つからなかった。徐さんはこれでまだ数年間は仕事を続けられると、非常に安心した…

タグ:内蒙古自治区,受診,健康診断

発信時間:2008-06-18 11:00:15 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

既に65歳を迎えた徐鳳山さんにとって、今年の5月はとりわけ印象深かった。同月、徐さんは自身の住む鎮の病院による全面的な健康診断を受け、1銭のお金も支払わなかった。検査の結果は徐さんの期待通り、特に問題は見つからなかった。徐さんはこれでまだ数年間は仕事を続けられると、非常に安心した。

徐さんは内蒙古自治区の伊金霍洛(エジンホロ)旗阿鎮に住んでいる。今回の健康診断は、徐さんにとって生まれて初めての体験だった。「もし無料ではなかったら、検査には行かなかったよ」。5月25日、検査のために伊金霍洛旗病院を訪れた徐さんは語った。

徐さん同様、同鎮に住む10万人以上の住民が、今回の無償健康診断の恩恵を受けた。健康診断には内科、外科、レントゲン撮影、心電図、腹部エコーなどが含まれた。今回の無償健康診断は同鎮にとって初の試みであった。

「健康診断を受診できる対象は、本鎮に戸籍を有する35歳以上の全住民および既婚婦女です」。伊金霍洛旗衛生局の辺玉生局長はこのように述べている。対象者のうち70%の人々にとって、今回は自身初となる全面的な健康診断受診となった。

今年69歳になるという王万才さんもそのひとりだ。記者が伊金霍洛旗病院に取材に訪れたとき、王さんはちょうどベッドに横たわっていた。王さんは当病院で手術を受け、この日が術後12日目、回復状況は良好だった。年老いた奥さんと3人の娘さんが交替で看病を続けている。「この年になって、人生初めての健康診断を受けることができた。以前は病気にならなければ病院には検査にはこなかった。今回ももし無料じゃなかったら、検査は受けなかったでしょう」。未だ完全には回復に至っていない王さんは、少しか細い声でこのように語った。

王さんはもとは蘇布爾ガ鎮の農民だったが、現在は阿鎮に暮らしている。5人の子供がいるが、うち4人は都会へ行った。「健康診断前、父には特に問題はありませんでした。でももし診断を受けていなかったら、病気を見落としていたかもしれません」。王さんの次女はこのように語っていた。


 

4月11日以来、伊金霍洛旗病院は熱気に包まれている。健康診断に訪れる来院者が絶え間なく、決して広くない病院内は人々であふれかえっている。

当日午後2時、記者が同医院を訪れると、医師の沙日娜さんの前には10数人の人たちが列をなし、手には分厚い健康診断書を持ってエコー検査を待っていた。沙さんには昼食時間もない。「毎日病院内の廊下は診断を待つ人たちでいっぱいです。字が読めない人も多くて、付き添いで上へ行ったり下へ行ったり大変です」。沙は慌ただしくそう語る。

実際、今回の無償健康診断は10万人以上の住民を対象にしており、伊金霍洛旗の中の限られた数の医療スタッフは残業を余儀なくされている。今回の無償健康診断は、伊金霍洛旗病院、婦幼保健所、新街センター衛生院など医療機関5カ所のほか、郷・鎮の衛生院もその任務を担当している。各郷・鎮医療機関の医療設備には限りがあるため、伊金霍洛旗病院、婦幼保健所からスタッフが派遣され、医療設備を携えこれら辺境地域農牧民の診断に訪れている。

無償健康診断の開始以来、伊金霍洛旗病院に実際に診断に訪れた人の数は既に5千人を超えている。伊金霍洛旗病院・内科主任の王彦是医師は、毎日午前中、早朝7時から午後2時まで、1百人近くの人たちの内科検診を担当している。「平常時に比べて3時間は勤務が増えています」。王医師は語った。


 

今回の健康診断は無償ではあるものの、一部住民は参加していない。「健康意識の不足」が主な理由だ。伊金霍洛旗の各鎮は今年年初から職員を動員、2カ月後になり診断の開始にこぎ着けた。

「今回の活動は8カ月間、12月15日まで続きます。健康診断に参加する人の数は伊金霍洛旗住民全体の70%以上です」。王彦医師は述べている。

今回の診断で問題が見つかった住民に対しては、治療の薦め・意見が示される。実際、ほとんどの住民には知られていないが、今回の健康診断終了後、診断結果は全て電子入力され、各個人の健康記録として保管される。伊金霍洛旗病院では、本業務に追われた入力担当者・王葉さんは夜遅くまで業務に専念している。仕事が終わると、彼女は病院の事務室で就寝する。

伊金霍洛旗衛生局の辺玉生局長によると、ここ数年、住民らの生活水準は向上したものの、人々の健康に対する意識は不足しているという。多くの患者は古来より伝わる治療方法に頼っているほか、封建的な迷信を信じている人もいるという。今回の無償健康診断実施の主な目的は、住民の病気早期発見、早期治療を促し、人々の健康水準と健康意識の向上にあるという。

今年、大病を患った地域内住民の医薬公費負担費用は総額上限5万元となっている。昨年は僅か2万元だった。

「人民網日本語版」2008年6月18日

 

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