パリ:買い物に重点
パリの行程はまさにマラソンだ。観光客はわずか48時間で、パンフレットに書いてあった“細緻で深い文化の神髄を体験”することができる。
文化の都としての芸術的魅力を味わうため、パリの1日目にツアーはベルサイユ宮殿を参観し、セーヌ川の遊覧船に乗った。2日目、ルーブル美術館をわずか1時間半だけ参観。観光客はいそいそとミロのビーナスとモナリザの前で自撮りした。
美術館を短縮することで、買い物に十分な時間を費やすことができる。パリ観光局の最新データによると、中国人観光客の28.5%がパリ旅行で最も重要なイベントが買い物だと考えている。フランスは中国人観光客が最も消費する国家であり、1人あたりの平均消費額は5400ユーロで、そのうち買い物に2500ユーロを費やす。
ギャラリー・ラファイエットの雰囲気は、パリっ子が良く知るオスマン通りのデパートとは全く異なる。ここは中国人のために作られた買い物天国だ。中国語を話す店員が、中国人観光客の買いたいものが買えるように手助けする。
パリの夜。ガイドは「本場のフランス料理を味わいましょう」と勧める。しかしそれに興味を示したのはわずか6名だった。赤ワイン1杯、フォアグラ、生ガキ、エビ、ポテト、アイスクリームのセットで85ユーロ。ただし店内のメニューには60ユーロと書かれていた。「価格差は私の給料です」とガイドは説明する。
ディジョン:旅の途中の1泊
パリを離れ、長い移動時間が始まった。これからの5日間で、中国人観光客は4カ国を周遊する。そのため大半の時間を高速道路で過ごさなければならない。ガイドがひっきりなしに腕時計を眺める。焦っているのだ。なぜなら運転手は1日に10時間しか労働しない。1時間超過すれば、150ユーロを払わなければならないのだ。
バスはついにパンフレットに書いてあった観光スポット、ディジョンに到着した。しかし正確にはディジョンから30キロ離れたソヴィニー・ル・ボアである。このA6高速道路から近い小さな町で一夜を過ごした。