胡錦涛国家主席は人民大会堂で1日、世界25カ国からの海外メディアの合同取材を受け、北京五輪の準備状況、北京五輪が中国に与える影響、現在の中国経済社会の発展動向などの問題をめぐって記者の質問に答えた。

胡錦涛主席はまず次のように挨拶した。

あと7日で第29回夏季オリンピックが北京で開幕する。世界各国の人々がこの瞬間を心待ちにしている。世界人口の5分の1を占める中国で五輪を開催することは、中国に対する世界の信頼であり、世界に対する中国の貢献でもある。北京五輪は中国人民のものであり、さらに世界各国の人民のものである。

01年7月13日に北京が五輪招致に成功して以来、中国政府と国民は国際社会に対する自らの丁重な約束を着実に実行し、国際オリンピック委員会や国際的な五輪ファミリー（大会関係者）と緊密に協力し、各準備を真剣に展開し、特色豊かでレベルの高い五輪を開催するための強固な基礎を固めてきた。

中国政府と人民を代表して、世界各国の友人が北京五輪に参加または観戦に訪れることを歓迎する。世界各国の記者が北京五輪を取材・報道に訪れることを歓迎する。

「中国が7年越しで進めてきた五輪に向けた準備のうち最大の成果は何か？」というロシア・ノーボスチ通信社の記者の質問に対し、胡錦涛主席は次のように答えた。

過去7年で北京オリンピック組織委員会は特色ある、レベルの高い五輪を目標に、五輪招致時の約束を全面的に実現すべく、緑色(エコ)五輪、科技(ハイテク)五輪、人文(ヒューマニズム)五輪の理念を掲げ、競技会場やインフラ設備の建設、環境保護、都市経営、安全警備、報道サービスなど各方面で数多くの仕事をこなし、顕著な成果をあげてきた。これらの成果は北京五輪を滞りなく開催するためにより良い環境を提供するだけでなく、中国の未来の発展のためであり、中国人民が今後もすばらしい生活を創造していくためにより良い環境をも提供することになる。

北京五輪の開催によって数多くの体育館やインフラ設備が残る。わたしたちはこれらの物質的な遺産を大切にし、その機能と役割を十分に発揮させていく。それと同時に、北京五輪の精神的な遺産はさらに長く伝えられ、さらに貴重なものとなるだろう。この遺産の最も重要な3点は、▽まず、団結・友情・平和という五輪精神を宣揚し▽次に、緑色五輪、科技五輪、人文五輪の理念を実践し▽そして世界各国の文化の相互交流・相互参考を促す－－ことだ。わたしたちは北京五輪が残した精神的な遺産をより大切にし、それがいっそう光彩を放つよう努力していく。

「各五輪開催都市はこのような世界的なスポーツの祭典を開催するにあたり、それぞれ独自の関心事あるが、中国政府の主な関心事は何か？」という南アフリカの記者の質問に対し、胡錦涛主席は次のように答えた。

  わたしたちは北京五輪の準備を通じて、都市の科学的発展や社会の調和を促すよう努力したい。わたしたちの主な関心事は3つあり、▽生態文明の建設▽科学技術の進歩と革新▽国民のマナー向上――を高度に注目している。