「五輪スローガンの『一つの世界、一つの夢』は、あなたと中国にとって何を意味するのか？また、あなたの夢と中国の夢は何か？」というオーストラリアの記者の質問に対し、胡錦涛主席は次のように答えた。

「一つの世界、一つの夢」のスローガンは、五輪の精神を集約し、北京五輪の趣旨を生き生きと反映したものだ。このスローガンにはわたしたちの真摯な願いが込められている。それはつまり、世界各国の人々と共に五輪精神の呼びかけのもと、交流・協力を深め、国際的な五輪の新たな一章を書き加え、人類のよりすばらしい未来を創造したいという中国人民の願いだ。

わたしの夢は中国人民の夢と同じだ。わたしは常に国の指導者として、人民の声に耳を傾け、民意を尊重し、民衆の苦しみに関心を寄せ、人民の利益を守らなければならないと思っている。人民の思いを受け止め、人民の必要とすることを行う。中国人民の夢とは、国の現代化を進め、中華民族の偉大な復興を実現し、世界各国の人々と共に平和・進歩・和睦・調和の発展を追及することにある。

「中国が五輪開催に成功すれば、中国の総合的な実力が強まる。これにより、『中国脅威論』の声が国際的に高まることを心配しているか？」というカタールの記者の質問に対し、胡錦涛主席は次のように答えた。

五輪は平和と友情の祭典だ。中国人民の平和を愛する姿と決意を北京五輪は世界に発信するものだ。

改革開放30年以来、中国の現代化建設は世界を驚嘆させる成果を挙げてきたが、中国は依然として世界最大の発展途上国であり、発展の過程において直面した矛盾と問題はその規模にしても、その複雑さにしても、世界に例をみないものばかりだ。十数億の民がより高いレベルのややゆとりのある社会の恩恵を受け、より進んだ国家の現代化建設を実現し、人民全体が共に裕福になるよう全面的な建設を進めるには、まだとてつもなく長い道のりを歩まねばならない。

中国は早くに防衛的な国防政策を遂行し、永久に覇を唱えず、永久に拡張を行わないと世界にはっきりと宣言した。今後も平和的な発展路線や、互恵・ウィンウィンの開放戦略を変更することなく、平和的・開放的・協力的な発展を常に求めていく。中国の発展はいかなる人にも影響しないし、脅かすこともない。中国人民は世界各国の人々と共に手を携えて努力し、末永い平和と繁栄の調和のとれた世界を共に建設することを願っている。

「五輪大会後、外国人記者の中国での取材条件に変化はあるか？」という日本のフジテレビの記者の質問に対し、胡錦涛主席は次のように答えた。

対外開放に向けた中国の扉は常に大きく開いている。北京五輪大会の開催中にせよ終了後にせよ、我々はこれまでと同様に、外国人記者の中国での取材を歓迎し、外国人記者の中国での活動に便宜を提供していく構えだ。我々もまた、外国人記者に対し、中国滞在期間中に中国の法律を守り、中国についての客観的で公正な報道を行い、中国と世界各国との相互の交流と理解を深めることを希望する。