今年で12回目となる上海国際マラソン。1996年の第1回大会の参加者は6000人余りだったが、昨年の第十一回大会は一万七千人以上と、規模は年々拡大している。
このマラソン大会は、特別協賛の東レをはじめ、ミズノ、キリン、日本航空、セイコーなど多くの日本企業が協賛し、日中友好協会が後援するなど、日本とのつながりが深い。
昨年は、ハーフマラソンに野口みずき選手、フルマラソンに弘山晴美選手など、日本のトップ選手たちも参加し、大会を盛り上げた。日本の選手たちは試合に出場するだけでなく、中国の子どもたちを指導する活動にも参加。中日友好をスポーツの面から促進している。
世界のトップ選手たちも走るが、市民マラソンでもあるこの大会は、フルマラソンとハーフマラソンのほかに、誰でも気軽に参加できる健康マラソン(4.5キロ)が設けられている。
楊浦区に住む張志発さん(54歳)と馬清印さん(74歳)は第1回大会から欠かさず参加。それだけでなく、楊浦区からの参加申し込み者を増やす努力をしている。昨年の申し込み者は3000人を超えた。特に中高年の申し込みが多い。
馬さんは楊浦区の高齢者体育協会マラソン委員会の主任を務める。毎朝4時半に起床し、毎晩9時に就寝。毎日平均8キロぐらい走っているという。「上海は高齢化が進んでいます。趣味がなければ老後生活は楽しくありません。私はマラソンのおかげで、この歳になっても健康な生活を送っています。この地域では『東レマラソン』の知名度は高い。みんなで声をかけ合って大会に参加しています」と話す。
張さんも、「このマラソン大会のよいところは、その場で成績が分かり、参加者全員に記念品が出ることです。マラソンは特別な施設や用具がなくても、いつでも誰でも始めることができます。精神面も鍛えられます。みんなで参加するようになって、団体意識も芽生えました」と参加に意義を感じている。
また、新旧が入り混じる上海という都市を体感できるコースも魅力の一つだ。アップダウンが少ないので初心者でも走りやすい。昨年のフルマラソンのコースは、「和平飯店」付近をスタート地点とし、南京路を西へ駆け抜け、長寧区、徐匯区、閔行区を通って、新しく建設された現代的な体育館「閔行体育館」がゴールだった。今年のコースも少々の調整はあるものの、基本的に昨年と同じだという。
上海国際マラソン大会組織委員会の貢献・副秘書長は、「マラソンはプロの選手も愛好者も一緒に参加できるスポーツです。プロの選手と同じステージに立てるスポーツは、他にはあまりありません。よい成績を取るだけでなく、参加者にマラソンを楽しんでもらうことがこの大会のねらいです」と語る。
「マラソン大会が開催される11月下旬は、気候が穏やかでよい季節です。毎年日本からの参加者は多いのですが、今年もより多くの方々に参加してほしい。そして上海の人々と交流してください。マラソンと同時に上海という都市の魅力を堪能し、美味しい上海料理も味わってください」
今年の予定
開催日時:11月25日(日)
詳細:http://www.shanghai-marathon.com/を参照。日本事務局が設けられているので日本からの参加も便利
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