ホーム>>経済>>視点
『労働契約法』で終身雇用になるのか?
発信時間: 2007-12-05 | チャイナネット

そこで、無期限労働契約になることを防止する対策として、労働者との労働契約が満了するのに合わせ、労働者との労働関係を、労働者派遣へと切り替えることを検討している企業がある。しかしこの手法は、脱法行為として無効と認定されるおそれがある。

この点については、2006年度の10大労働紛争事件の一つとして知られる事例を紹介したい。  

北京ケンタッキー有限公司は、10年以上にわたり、事実上の労働関係のあった従業員の身分を、派遣企業の派遣労働者へと切り替え、その後、この従業員の職務上のミスを理由に解雇した。このためこの従業員は、11年の勤務年数に応じた補償金2万元余の支払いを求めたところ、労働契約がないため労働関係もない、として補償金の支払いを拒否された。

解雇された従業員が提起した仲裁・訴訟第一審は、北京ケンタッキーの主張を認め、北京ケンタッキーが勝訴した。しかし、多くの学者や専門家は、事実上の労働関係のあったにもかかわらず、偽の労務派遣に切り替えたとして、北京ケンタッキーと派遣企業との派遣契約は無効であるとの見解を示した。

そこで、第二審において、北京ケンタッキーは、事実上の労働関係があったことを認め、この従業員と和解した。

     1  2   3    


  関連記事

· 「労働契約法」制定の背景 企業に厳しい試練

· 全人代常務委、「労働契約法」を採択

  同コラムの最新記事

· 不動産価格急騰の原因は?

· 中国、もう資本大国なのか?

· 中国、米国の対中相殺関税徴収を断固反対

· 経済情勢報告会 来年の成長率を11%以下に抑えるべき

· 日本対中投資の低下傾向を重視すべき 曾副総理