マイナス面その2
(5)外資系企業の対中投資コストを増大させ、外資導入が段階的に減少する可能性がある。特に輸出によらずに外貨を獲得するタイプの外資系企業は、人民元上昇が原材料輸入にもたらすメリットを享受できず、かえって人件費などの投資コストが増大し、利益が減少する。
(6)海外から大陸部を訪れる観光客の旅行コストが増加するため、観光客と観光収入が減少する可能性がある。観光客は支出を増やすか、旅行中の消費基準を引き下げるかしなくてはならず、訪問先をその他の国や地域に変更する可能性がある。
国際間の経済往来が活発化し、相互依存度がますます高まる状況にあって、プラス影響とマイナス影響とは双方向のものであり、一方の動揺はもう一方の不安定を引き起こす。特に貿易で一方がもう一方にある程度依存している場合はなおさらだ。そこで、もしも国内の企業や業界の輸出が人民元上昇により減少すれば、中国の貿易相手先にまったく損害を与えないと保証することは難しい。人民元上昇圧力の過度の高まりによる直接の影響は、欧米諸国の多くの国民が良質で低価格の中国製品を使えなくなるということにある。自国製品を使用するのであれ、その他の国の製品を代替品として使用するのであれ、いずれにしてもその国の物価水準は上昇し、国民の消費支出は増大し、生活レベルが実質的に低下することになる。
「人民網日本語版」より2007年12月18日
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