1990年は高級品の北京市場進出元年だ。同年8月にオープンした国貿商城は、北京でブランド専門店による小売業務の展開という経営モデルを率先して導入し、高級品と関連サービスの提供を中心とする現代型ショッピングセンターとなった。1999年にはルイ・ヴィトンが王府飯店に続く北京2号店をオープンし、国貿商城に初めて進出した高級ブランド品となった。それから数年後、国貿商城で取り扱われる高級品の規模は数十倍に拡大した。
グッチ・グループのグローバル公報責任者によると、グッチは1997年に中国進出して以来、中国エリアで35店舗をオープンし、うち大陸部には18店舗を構えた。同責任者は「中国は『次の日本』だが、異なるのは人口がさらに多いという点だ」と話す。
こうした動きと同時に、インターネットショッピングが世界的ビッグブランドの愛好者にかつてないチャンスをもたらしている。中国最大のショッピングサイト「淘宝」では、大陸部の専門店より2~3割安い価格で、香港、日本、英国、フランスなどの専門店から希望のブランド製品を手軽に購入できる。
ルイ・ヴィトンでは中国人顧客の占める割合が3位となり、世界トップブランドのほぼ全てが現在、中国に支店を置いている。世界奢侈品協会(WLA)の調査データによると、2007年の中国人の高級品消費額は世界全体の18%を占め、消費者数は総人口の13%に上った。2015年には消費額が世界全体の32%に達し、日本を抜くことが予想される。
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