物価上昇に構造的特徴
インフレを抑制できるかどうか。これが今年の中国経済が直面する重大な試練だ。第1四半期(1~3月)の状況は楽観的なものではなかった。2007年8月以来、消費者物価指数(CPI)の伸びが5カ月連続で6%を超え、今年はさらに伸びが拡大した。1~3月のCPI上昇率は8%で、前年同期を5.3ポイント、前年を3.2ポイント、それぞれ上回った。同時に、工業製品出荷価格、原材料・燃料・動力購入価格も急速に上昇しており、これに世界的な初級製品の大幅値上げという外部的要因が加わって、今年は政府活動報告で提起した物価調整目標値(4.8%前後)の達成に大きな圧力がかかるものと予想される。
国家統計局の李暁超報道官の分析によると、物価上昇圧力には昨年以来の要因が大きい。昨年の消費者物価指数は今年の指数に3.4ポイント影響すると考えられ、今年の指数を目標値の4.8%前後に収めようとするなら、新たな価格上昇要因の影響を1.4ポイント以内に収めなくてはならない。言い換えれば、今後9カ月の物価上昇率を4.2%以内に収めなくてはならないということだ。実際には新たな価格上昇要因は多くあり、第一に川上製品の価格上昇が昨年第4四半期(10~12月)以来拡大していることが挙げられる。工業製品出荷価格、農業生産資料価格、原材料・燃料・動力購入価格もすべて上昇が拡大しており、生産分野の価格上昇が消費分野に与える圧力が強まっている。第二に労働力コストの上昇が挙げられる。
物価情勢は大変厳しいが、自信を失うことはない。第1四半期の価格上昇には構造的な特徴がある。同期の食品価格上昇率は21.0%に上り、物価全体を6.8ポイント引き上げた。住宅関連価格は6.6%上昇し、物価を1ポイント引き上げた。その他の価格は上昇したものも低下したものもある。食品による価格上昇に対し、中央政府は昨年から供給を増やすために一連の調整措置を取っている。現在、穀物の備蓄には余裕があり、ブタの飼育・生産も回復してきた。主要工業製品の供給過剰局面は変化しておらず、中央政府も各種調整政策を打ち出しており、物価の抑制に向けて積極的なマクロ環境が提供されたといえる。
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