8月の人民元レートは上昇傾向が緩やかに鈍化した。全体としてみると、レートには次の3つの動きがみられた。
第一に、低下傾向に拍車がかかった。1日から12日の間に、対米ドルレート基準値は8営業日連続で低下し、1ドル=6.8659元まで下がった。これに7月末の2営業日連続での低下を合わせると、過去にもまれな10日連続での低下となり、2005年7月の人民元レート改革以来最大の低下局面となった。
次いでレートは小幅の変動を繰り返した。13~21日のレートは1ドル=6.85~6.87元の範囲で小幅に変動した。
そののちレートは上昇傾向に転じた。22日以降、レートは再び上昇に転じ、1ドル=6.85元を突破した。
対外経済貿易大学金融学院の丁志傑副院長は「8月と1~7月とのレート状況を比べると、次の2つの特徴がうかびあがる」と指摘し、次のように述べた。第一に、人民元の上昇ペースが急速なペースからゆっくりしたペースに変わり、徐々に鈍化した。第1四半期の上昇率は4.16%、第2四半期は2.33%だったが、7月と8月はいずれも0.4%に満たなかった。第二に、人民元レートには上昇と低下と双方向の動きがみられた。
これまでは上昇傾向が低下傾向を上回り、しばしば過去最高を記録したが、8月の21営業日のうち、低下した日が14日間だったのに対し、上昇した日はわずか7日間で、低下傾向が上昇傾向を上回るという新たな状況が出現した。ここから人民元レートの「減速」ぶりがうかがえる。
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