(3)大型連休は必要か
中国社会科学院(社会科学アカデミー)観光研究センターの劉徳謙副主任(教授)によると、大型連休や長期休暇は中国の人々にとって非常に重要なものだ。中国は国土が広く、人々が交流し、家族が集まって団らんし、友人と往来するには、ある程度の距離を移動することが必要になる。航空運賃は庶民には高額すぎるため、空間的な距離は時間的な距離とイコールだ。こうしたわけで2~3日間の休暇では十分ではない。
国慶節大型連休が終わった後、あるサイトが行った最新の調査によると、回答者の70%が「労働節連休を復活させてほしい」と答えた。調査より前の時期にある学識者が提起した「大型連休は永続的なものではなく、条件が整えば、国慶節の大型連休も廃止すべき」との意見とは対照的だ。
大型連休は中国特有の休暇制度で1999年にスタートした。ある統計データによると、同年の国慶節連休中の観光客数はのべ2800万人に上り、観光収入は141億元に達した。翌2000年は大型連休ブームで、国慶節連休中の観光客数はのべ5980万人、観光収入は230億元に膨れあがった。10回目の国慶節大型連休となった今年は、全国休日弁公室の観光旅行統計予報システムの調査対象である全国の観光地119カ所で、7日間に受け入れた観光客数は前年同期比13.2%増加ののべ1829万1千人に上り、観光地の入場料収入は同16.4%増加した。連休中の観光客集中により、交通渋滞、サービスの質低下、入場料の便乗値上げといった一連のマイナス面も現れて、大型連休をめぐる議
論が活発になっている。
|