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世界金融危機、中国の鉄鋼産業チェーンに衝撃
発信時間: 2008-11-11 | チャイナネット
(3)船舶注文相次ぐ取消
 鉄鋼産業チェーンは範囲が広く、川下には水上輸送、不動産、家電、自動車、船舶、機械などの各産業を擁する。鉄鋼不振は、こうした産業にも一定の影響を及ぼしていることが注目される。現在、水上輸送産業や機械産業の低迷がもっと激しいが、影響はまだ顕在化していない。ここ数年来、中国の造船業は拡張期にあり、今年1~9月の新規造船受注件数は世界全体の39%、進行中の事業件数は同35%に達した。水上輸送業界低迷の影響は造船業界にも及んでいる。中鋼国際貨運有限公司の関係者は「現在、造船所では注文取消が相次いでいる」と話す。中国船舶工業協会の譚乃芬副処長によると、国内の基幹企業の進行中の事業件数は2011年分までいっぱいだ。注文取消は確かにあるが、ほとんどの造船企業では進行中事業で総額の20~40%に達する頭金を受け取っており、中には50%に達するものもある。だが9月以降は金融機関から前払い保証書をもらうことが難しくなってきた。年初以来の造船市場の需給関係の変化に伴い、船体価格の値下がりは不可避とみられる。需要の減少が予測される中で、8月以降は国内の造船用鋼板の価格が下落し、10月には平均価格が6千元を下回り、下げ幅は25%に達した。

 あるアナリストの予測によると、中遠航運、中国遠洋、中海発展、中海集運、招商輪船、中海海盛などの海上輸送銘柄の10~12月期の業績はふるわない。中国船舶、中船重工、広船国際が受ける影響は、10~12月または来年一月に顕在化する。目下の情勢から考えて、機械産業への影響は小さい。中国機械工業連合会の蔡惟慈会長は「今年1~9月、機械工業の運営状況は予測より好調で、前期と比較した下げ幅は小さかったが、外部環境の影響により伸びの鈍化が目立った」と話す。


 「人民網日本語版」2008年11月11日
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