中国のミッションが続々来日
さて、中国発日本への「啓蟄」はどうなっているでしょうか。最近、中国の地方政府が組織したミッションの来日が目立ちます。二月でみると、初旬に遼寧省から、下旬に山東省から、主に「招商引資(投資誘致)」を目的に、大ミッションが来日しました。
省内各都市の市長を引き連れて来日した陳政高・遼寧省長は、2月5日、大入り満員となった「投資説明会」で、「金融危機の中で中日が協力する余地は大きい。遼寧省には6400社もの多くの日系企業が進出している。省政府は進出企業の相談に積極的に対応する。奨励プロジェクトであれば、資金を出す用意がある」と力説、会場から大きな拍手が湧き起こりました。
山東省ミッションを率いたのは才利民・副省長でした。2月27日に都内で開催された「日本企業懇親会」で、来日目的を「すでに進出している日系企業と関係者に感謝の意を表し、今後進出を検討いただいている日本企業の皆さんと情報交換を深めたい」と挨拶しました。煙台、青島など山東省の主要都市の政府関係機関や企業もそれぞれ交流プロジェクトを持って来日しましたが、煙台市の孫永春書記は「今こそ、日本との経済交流の発展を図りたい」と強調していました。
昨年の日中経済関係は、貿易関係では前年比12.5%増で、十年連続で過去最高を更新したものの、昨今の金融危機の影響もあって 11月、12月は前年同月比減と落ち込んでいます。総額が2カ月以上連続で前年同月割れとなったのはほぼ七年ぶりとなります。このまま行くと、今年の日中貿易が前年割れする可能性すら否定できません。貿易の増減は経済交流全体のいわば縮図といえます。中国において、日本と密接な経済交流関係を維持してきた遼寧省と山東省のミッションは、日中経済交流の発展に「春一番」の「追い風」を吹かせたのではないでしょうか。
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