世界銀行(世銀)が4日に発表した最新「中国経済季報」では、中国は国内総生産(GDP)成長率の今年の予測目標8%を着実に達成しつつあり、最終的には8.4%に達すると予測されている。「新華社」が伝えた。
世銀中国担当首席エコノミストの韓偉森氏は、中国政府が打ち出した大規模な財政・金融面での景気刺激策が中国経済の再生に著しい効果を収めたと指摘している。
世銀の報告は、中国は2010年も引き続き穏やかな成長を維持する可能性が高いが、構造面でやや変化が生じるという見方を示している。世界の経済再生は今後当面の間、緩慢でリスクの多いプロセスを経ると予想されるが、中国輸出業が本来、極めて強大な競争力を備えていることから、中国の輸出は来年やや上向きになり、経済成長の足かせになることはもはやあり得ないと見られる。一方、国内外の過剰生産能力によってインフレ圧力がかなり低水準を保っているため、来年の輸出入は、ほぼ同じスピードで増加すると予想される。
世銀シニアエコノミストの高路易氏によると、極度に緊縮したマクロ経済政策は今のところ実施されていないものの、流動性に余裕が残っている現状において、資産価格バブル化と資産調整ミスのリスクは間違いなく存在することから、貨幣政策は極めて用心深く進める必要があるという。また、財政政策面では、2010年の財政赤字額は、横ばいあるいは2009年をやや上回る程度が適切と思われる。同時に、政策面である程度の融通性を保証する必要があり、さらに多くの大がかりな財政刺激策は今のところ不要と指摘されている。
報告では、中国が早急に経済構造調整を加速し、消費とサービス業により一層の経済成長の重点を置き、医療衛生、教育、社会保障分野で政府が果たす作用を強化し、金融サービスと中小企業の発展を改善し、資源消耗と環境破壊を軽減し、経済を持続可能なバランスのとれた発展軌道に戻すことが提案されている。
「人民網日本語版」2009年11月5日