国家統計局がこのほど発表した最新のデータによると、今年第3四半期(7-9月)の国内総生産(GDP)成長率は8.9%に達し、消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)は下降から上昇に転じ、前年同期比の減少幅が縮小するなどして、各種マクロ経済データがいずれも好転した。「国際金融報」が伝えた。
経済学者の成思危氏はこのほど江蘇省リツ陽市で開催された天目湖中欧経済フォーラムに出席した際、「中国の今年のGDP成長率は8%を超える見込みだが、数字の達成だけを求めてはならず、持続可能な成長としての8%を、着実で中身のある8%を目指す必要がある。この目標に向けて、なお多くの努力を重ねる必要がある」と述べた。
フォーラムでは中国・欧州それぞれの経済専門家が、中国経済に現時点でみられる力強い成長力が世界経済に影響を与えるとの見方を示した。これについて成氏は次のように述べた。中国は過度に急速な発展ペースを追い求めるつもりはないし、過度に大きな貿易黒字を追い求めるつもりもない。中国経済に必要なのは持続可能で中身のある「8%」だけだ。だが現在はポスト金融危機の時代であり、中国経済の成長はなお不安定だ。
成氏の分析によると、2007年に中国のGDP成長率は13%のピークを迎えており、経済発展の規律からいうと、たとえ経済危機がなかったとしても、中国経済に成長率の低下が出現するのは当然のことだ。08年は金融危機の影響を受けて、経済は大幅に落ち込み、政府はただちに4兆元規模の経済刺激プランを打ち出し、これにより上半期の中国経済は力強い成長を遂げた。だが、このたびの成長を分析すると、成長の大部分が投資の牽引作用によるものであり、消費にははっきりとした成長の牽引作用がみられず、輸出はなおマイナス成長から脱していないことが容易にみてとれる。そもそも国は今年、5兆元の貸付金を放出する計画だったが、上半期だけですでに7兆8千億元を貸し出しており、下半期はさらに約8兆元を貸し出す予定だ。これほど緩やかな貸付金政策に加え、政府はインフラ建設に多額の投資をしており、中国経済が8%の成長率を達成したとしても、こうした情況を持続させていくことは不可能だ。
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