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中国の金融危機対策に見られる5つの反省点(2)
発信時間: 2009-11-18 | チャイナネット

 

100年に1度と言われる国際金融危機は中国経済にも大きな影響を与えた。この重要な時期には、重要な措置を打ち出す必要がある。中国共産党中央、国務院は危機に早急に対応するため、一連の計画と政策措置を次々と打ち出し、経済の急速な後退から安定した回復へと転換することができた。

中国がこの1年間で行ってきた国際金融危機の試練への対応を振り返ると、いくつかの反省点があげられる。

反省点その4 改革の深化に重視すべき

国家発展改革委員会は11月9日、製品油価格を10日から引き上げることを発表した。国際原油価格の変動に伴い、今年に入り製品油価格は5度引き上げられ、3度引き下げられている。1月1日に正式に実施された製品油価格と税制改革は順調に進められており、好影響を与えている。

国際金融危機に対応するため、この1年間、中国の改革は停滞するどころか、加速してきた。資源性製品の価格改革だけでなく、長年準備を進めてきた改革も過去1年で開始している。付加価値税改革、医薬衛生体制改革、総合関連改革、新型農村社会養老保険の試行、創業板の開設など、一連の改革において進展が見られ、その改革の度合いと波及範囲は近年でも珍しく、金融危機への対応と国の長期的発展、科学発展の促進に新たな原動力と活力を添えた。

「改革はほぼ終わったと言う人もいる。しかし、今回の国際金融危機と危機による中国への影響で、改革の重要性は再び際立っている」と、中国経済体制改革研究会の高尚全名誉会長は話す。

困難な時こそ、揺るぎない改革を堅持する必要がある。実践で、改革の深化は危機に打ち勝つ「黄金の鍵」であることが証明された。しかし注意すべきなのは、今後の発展の中で、経済構造の不均衡、収入配分、都市部と農村部の格差、社会保障体系などの多くの難題は改革を通じ解決する必要があることだ。

「勇気を持って改革を推進し、科学発展を妨げる体制の障害を取り除いてこそ、中国経済の持続可能な発展を本当に実現することができる」と、中国(海南)改革発展研究院の遅福林院長は述べる。

反省点その5 民生の改善と保障に重視すべき

中国共産党中央が今年、新型農村協力医療保険制度を制定したことにより、河南省洛陽市偃師市城関鎮新新村の75歳の智春さんの問題は解決された。智春さんは以前、廃品回収で生計を立て、毎月の収入は100元にも満たなかった。しかし現在は、新型農村協力医療保険制度のおかげで毎月55元が受け取れるようになった。

国際金融危機が直接影響を与えたのは企業だが、最終的に国民の生活にも影響を与えた。工場の業績が悪ければ失業者が増加し、国民の収入と生活も自然と影響を受ける。

民生の保障と改善は、国と国民の繁栄を同時に実現するもので、国際金融危機対策の出発点であり立脚点でもある。国の公共資源の配分も民生プロジェクトに重点を置くようになった。全国10%の県・市・区で試行されている新型農村協力医療保険制度は9000万人に及び、医薬衛生体制改革の各級人民政府からの投下額は3年で8500億元に達する見通し。また中央財政予算429億元を投下し、閉鎖・破産した国有企業の定年退職者の医療保障問題を解決する。2009年、中央財政の民生面への資金投下額は昨年より29.4%増加し、就業拡大においても様々な措置を講じている。

急速かつ持続的な一連の措置により、中国の都市部と農村部の住民の生活レベルは金融危機の影響で低下することはなく、かえって改善されている。今年1~9月、都市部住民の1人当たり平均可処分所得は10.5%増加し、農村部住民の1人当たり平均現金収入は9.2%増加した。

経済成長率を維持する根本的な目的は、国民の物質的な生活レベルを引き上げることである。現在、就業、社会保障、収入配分、教育・衛生、住宅など国益と密接に関わっている分野にはまだ多くの問題が存在し、民生の改善と保証に大いに重視し、経済・社会発展の不均衡な状況を変える必要がある。そうしてこそ、金融危機に打ち勝ち、国民経済の安定かつ急速な発展を維持することができる。

「チャイナネット」 2009年11月18日

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