個人の要素をみてみると、ここ数カ月の個人消費は継続的に伸びているものの、個人収入は増えるどころか減り続けている。現在の消費の伸びは消費者が優遇政策をうまく利用しようとした結果であり、事前に消費に走ったにすぎない。政策的な要因がなくなれば、前借で食いつなぐ消費行為は存在しなくなり、個人消費がより深刻な低迷に陥る可能性もある。
政府の立場からみてみると、経済危機以降、税収の低下と支出の増加が日本政府の財政を苦しくしている。財務省が発表した最新データによると、日本は今年9月末現在、国債と借入金、政府短期証券をあわせた政府の債務残高が過去最高の864兆5200億円にまで膨らんでいる。さらに財務省は債務残高が来年3月末には900兆円を突破すると推算している。このことから、欧米の中央銀行が経済刺激策の「打ち切りメカニズム」や「引き時」について討論を始めると、日本政府は低調になった。その結果は深刻な結果を招くに違いなく、一部の専門家は日本経済が再び下向きになるのを懸念している。しかし、現実的には財政的にも制度的にも打ち切りに踏み切るしかなく、財政がかさむ経済刺激策を継続させることはできない。
外需の増加については、新興市場の予想よりも早い回復に支えられている。世界の外貨市場でドル安の予測が高まるなか、日本の輸出と輸出関連企業にかかる負担も大きくなりつつあることから、回復に向かっている日本経済が再び悪化するのではとの懸念が各界で広がっている。
このため7-9月期にみられたプラスの経済成長に対し、日本政府と民間はさほど楽観的な態度を示していない。この日の東京株式市場の日経平均株価(225種)の終値はわずか0.21%高。日本の主要専門紙「日本経済新聞」電子版の担当者は暗い顔で、日本経済が今後再び底打ちする可能性は排除できないとしている。
「人民網日本語版」2009年11月18日
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