変化に富んだ2009年がまもなく過ぎようとしており、新しい1年の経済情勢に関する予想が繰り広げられている。来年には、投資や貸付の急増、過剰流動性、貿易摩擦の問題が深刻となるなど、経済のオーバーヒートに伴う圧力が出現する可能性がある。この複雑な状況の中で、経済成長率、不動産価格、インフレ率はどのような曲線を描くだろうか。投資は引き続き経済成長の主役となるか。新興産業の発展、収入配分制度の改革、中央企業の合併・再編はどのように進むのか。
人民元は約3%上昇
来年の人民元は2005年7月の人民元為替制度改革から2008年上半期の人民元対ドルレートの小幅・漸進的な上昇モデルに戻り、通年で上昇幅は3%に達する見通し。
来年第1四半期後、輸出の前年同期比伸び率に著しい回復が見られ、人民元は再び小幅上昇の軌道に乗る。小幅上昇は人民元の名目為替レートが実質為替レートに近づく上でプラスとなり、国内の資源配分は徐々に合理化される。小幅上昇の輸出業界への影響は漸進的に現れ、経済成長と就業への影響も抑制できる。そのほか、人民元上昇は輸入型インフレ圧力の緩和にも一定の役割を果たすことができる。しかし、一方的な上昇予想に傾くと、大量のホットマネーが裁定取引に集まり、中国経済に資産価格バブルとインフレ圧力をもたらすことになり、通貨政策は再び困難に陥る。私たちは過去の経験を踏まえ、人民元建て貿易決済を積極的に発展させ、人民元の国際化を進めるべきである。
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