■中国は社会公平の促進、整った社会保障システムの構築にさらに尽力
アジア開発銀行の黒田東彦総裁:中国はどのようにして社会保障システムの整備を強化し、国民所得に占める住民所得の割合を高めていくのか?
温総理:私たちは社会公平の促進、整った社会保障システムの構築にさらに尽力していく。中国は4000万人の絶対貧困人口、2億7000万人の低所得層を抱える。整った社会保障システムは、困難を抱える人々にとってとりわけ重要だ。すでに私たちは、社会保障システムの大枠を一応築き上げた。養老保険は都市部での普及だけでなく、今年は農村部の23%の地域で試験的に実施される。農民の養老保険の実施は歴史的な転換だ。医療保険の水準はまだ低めだが、すでに12億4000万人をカバーしている。新型の「農村合作医療制度」によって、農民も病院で受診できるようになる。私たちは専門の社会保障基金も設立した。すでに真の無償義務教育を実現したほか、最近は中等職業学校で学ぶ農村出身の困難を抱える学生の学費を免除し、奨学金を10倍に増やした。
住民収入の増加は3段階で行う。(1)国民所得全体に占める住民所得の割合を徐々に高める(2)要素所得に占める労働者賃金収入の割合を徐々に高める(3)2次分配において、財政・税制面のてこ入れによって、所得格差を調整し、社会公平を促進する。こうした取組みはいずれも初歩段階にあり、まだ整備されていないが、たゆまずに成し遂げていく考えだ。
中国発展ハイレベルフォーラムのアラン・ムラリー議長:中国の将来の発展を信じ、引き続き中国の発展に役割を発揮できることを期待している。
温総理:私は以前、「今後は各国の企業家と接触するための機会をもっとつくらなければならない。今日はその最初の1回でも、最後の1回でもない」と述べたことがある。私はみなさんの訪中をいつでも歓迎する。
*会見には国際機関の高官、著名な多国籍企業のリーダー、国際的に有名な学者を含む外国の代表60人余りが出席。100分以上にわたり行われた。
「人民網日本語版」2010年3月23日