中国人民大学の陳雨露副学長は、今回の世界経済危機の中で初めて先進国と発展途上国との間の対外均衡が崩れたため、中国は現時点の為替レートの安定維持と同時に西側が非経済的手段を使い強制的に再度均衡を取ろうとする最悪の事態も想定しておく必要があるとの考えを示す。
危機のない成長が中国の核心利益につながるという陳氏は、この角度から見ても為替レートは中国がバブル経済の出現を避けられるかどうか、中国の核心利益に関係してくるという。また、人民元切り上げ予測の管理を通じて資産価格のバブルを防ぐ必要があるほか、▽ドル監視の継続▽金融管理により今年のマネーサプライ(M2)伸び率を20%以内に留める▽資産市場の厳重注意によりリスクを予防し、住宅購入時の頭金引き上げや2軒目3軒目の住宅ローン停止▽米国を代表とする西側の人民元レート問題の政治化、感情化傾向への積極的な対応―などを検討しなければならないとしている。
米国が現在どうしてここまで人民元レートにこだわるのかについて陳氏は、▽金融危機の原因を人民元レートに転嫁するため▽米国内の中間選挙という政治的必要から▽今後10年で急成長する中国の戦略的封じ込め―と分析する。A)
「人民網日本語版」2010年3月30日