「中国文化産業の発展に関する報告書2010」が7日、発表され、2009年の中国文化産業の国内外における市場規模は約8千億元(10兆8千億円)、文化消費市場はGDPの40%に達したことが明らかになった。国民経済の戦略産業と結びついたことで、“文化経済”あるいは“クリエイティブ経済”といった新たな時代が到来しつつある。
報告書によると、中国の文化産業にとって2009年は転換の年であり、さまざまな分野における急速成長の年でもあった。マクロ経済が回復に向かうなか、文化産業は国民経済の成長において最も注目をされる分野となった。
国家統計局が発表したデータおよび関連の研究チームの推定によると、2009年の都市部世帯の文化・娯楽用品およびサービスに関する支出は約6076億元(約8兆1800億円)、政府の文化消費に対する財政支出は1095億7400万元(約1兆4771億円)、文化商品およびサービスの輸出は約700億元(約9436億円)。3項目を合わせると、2009年の文化産業の国内外における市場規模は約8000億元(約10兆7844億円)となる。
2009年の国内消費は安定した成長を見せたが、うち文化消費市場はGDPの40%を占めるまでになっている。なかでも成長が著しいのは、教育消費、新メディア消費、観光消費、ライブ・エンタテインメント市場の消費だ。また、文化関連のイベントや機関、従事者の数も明らかに伸びている。
同時に、文化体制改革が今後も力強く推し進められていく。デジタル新メディアは、経済危機で消費者が代替的選択を迫られるなか、3G(第3世代移動通信システム)の後押しで複数産業の提携による成長を実現、今も急成長を続けている。文化産業と伝統産業が結びつき、文化と経済の融合した将来像が見えつつある。国際金融危機により、その特殊な優位性をあらわにした文化産業は、すでに国家の戦略産業に位置付けられている。
「人民網日本語版」2010年5月7日