■全世界の債務は36兆ドル以上
中国政府の負債は多すぎるのだろうか。比較してみれば、はっきりするかも知れない。債務危機の発生したギリシャの債務残高はGDP比125%、危機の瀬戸際にあるイタリアはGDP比118%だ。情勢不安のユーロ圏全体ではGDP比84%となり、国際社会は懸念を深めている。同様に、米国、日本、カナダなどの公的債務も懸念される。日本財務省が10日発表した統計によると、日本の公的債務残高はGDP比229%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国中最大だった。米国は2011年の財政赤字が1兆6000億ドルに達し、負債総額はGDP比50%以上に達する。カナダの1人当たり負債は過去最大の4万ドルに達し、先進20カ国中最多。「エコノミスト」によると、今年2月の段階で世界各国の負債総額は36兆ドルを突破している。
■地方政府の負債が増加
「わが国の政府負債、特に地方政府負債は日増しに増加する兆候がある」??。南京大学商学院の宋頌興教授は「わが国は現在、都市化に力を入れている。都市化のため、特に地方政府は資金を必要としており、負債モデルによって資金不足を効果的に解決し、一定程度においてわが国の都市化を積極的に促進してきた」と指摘する。
宋教授は「地方政府の多くの債務、たとえば道路、橋、工業パークは実はいずれも資金化が可能で、発展する中で地方政府にかかる負債圧力を緩和することができる。だが現在の問題の核心は、わが国に一体どれほどの負債があるのかが不透明なことだ。中央政府はおそらく地方政府の負債情況を知らず、上級政府は下級政府の負債情況を知らない。政府負債の透明化、公開化が必要だ。負債の公開化、透明化によって、負債の具体的状況を民衆が知ることができるだけでなく、腐敗を防止することもできる」と指摘する。
「人民網日本語版」2010年5月13日