2010年上海万博の最初のテーマフォーラムである「情報化と都市の発展」が先だって浙江省寧波市で開催され、「Internet of Things(モノのインターネット)」が最も脚光を浴びるキーワードとなった。「Internet of Things」関連株はウナギ上りとなり、各地方政府もサポート政策を続々と公布している。温州民間人のホットマネーも、この「Internet of Things」を投機の対象として見なしている。世界中からやってきた情報テクノロジー分野の権威ある専門家は一般的にこのように認識している:「Internet of Things」は人類のこれまでの生活を覆すような変化をもたらすだろう。同時に、インターネット・バブルの二の舞にならないためにも、きちんと計画立てて進めていかなければならない。
「Internet of Things(モノのインターネット)」により生活が更に安全に、よりエコに、もっと自由に
記者:中国で今年3月に開かれた両会(全国人民代表大会と政治協商会議の全国委員会会議)で、「Internet of Things(モノのインターネット)」が初めて国務院の政府業務レポートに盛り込まれ、中国の国家発展戦略となりました。インターネット・ブームが去った後、全世界で「Internet of Things」ブームが起こっていますが、「Internet of Things」は本当にそんなにすごいものなのでしょうか?人類の社会にどれほどの変化をもたらすのでしょうか?
王建宙(中国移動通信公司董事長兼総経理):「Internet of Things」とは、センサーを通して、物体の各種データおよび情報をリアルタイムに収集し、インターネットを通して処理され、さらにクラウド・コンピューティングおよびファジイ識別技術を用い、収集した情報を、日々の暮らしや仕事に有用な情報に処理することです。
例えば、我々は農業部と提携し、2次元バーコードを用いて、ウシやヒツジなどの家畜の成長過程を記録しようとしています。将来的には、一般の携帯電話を使って、牛肉生産の全過程を調べることができるようになります。「Internet of Things」技術は、食品の安全を保証するにあたって、大きな作用を発揮することができます。
ネリー・クルース氏(欧州委員会副委員長):欧州では最近、1棟のビル内に、科学者により2万個以上ものセンサーが取り付けられました。従来、ビル内の空調は電気が消耗されるものでしたが、センサーを付けたことで、30%の省エネが実現しました。
欧州では、建築物のエネルギー消耗が全体の40%と言われています。もし欧州の建築物が30%の省エネができれば、欧州全体のエネルギー消耗率は8~10%下がることを示しています。これは二酸化炭素の削減のために大きな意義があります。
甘文維(GE自動車中国地区総裁):自動車のDNAは、100年前のGE設立時と変わっていません。今でも機械が制御し、個人個人がそれぞれ自動車を運転している。だが将来、無線ネットワークを通じて、人、自動車、非原動機付車両、建築物、インフラ間をつなぐことができます。
例えば、深海に泳ぐ魚の群れのように自動車が自由に移動でき、信号がなくても安全に交差点を横切ることができるようになります。リモコンで自動車を近くに呼び寄せたり、自動車が自分で車庫に入ったりします。このような「インターネット自動車」技術は、環境に優しい、交通事故を防げるというだけでなく、車両の自動運転も実現でき、より多くの人が移動の自由を楽しむことができるようになります。また、高齢者、身体障害者でも自由に外出できるようになります。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月18日