政府の公用車と言えば、多くの人がアウディやパサート、ビュイック、サンタナなどを思い浮かべるだろう。確かに、街中を走る公用車の多くがこれらのブランドだ。政府の公用車調達先リストには数十ブランドが登録されているのに、これらのブランドが特に人気を集めるのはなぜだろうか。その背後にはどういったいきさつや消費文化があるのか。今年、浙江省が新たな政府の公用車調達を開始するのに伴い、記者が探ってみた。
ベンツとBMW 目に見える冷淡な扱い
中央国家機関政府買付センターは2009年、『国務院弁公庁の中央予算単位2009-2010年政府集中買付リストと基準に関する通知』と『2009-2010年中央国家機関自動車協議供給自動車メーカーリスト』を発表した。リストには38社の100車種以上が登録され、BMWとベンツが初めてリストに入れられた。
BMWとベンツのリスト入りはネット利用者の議論を引き起こした。あるネット利用者は、BMWとベンツに対し多くの人が金持ちの専用車というイメージを持っており、特にBMWはファッショナブルかつ豪華、成金というイメージがあり、政府の公用車にすれば政府のイメージに影響するのではないかと懸念する。そのほかにも、BMWによる人身事故などが何度も発生したため、BMWは多くの人に成金で横暴というイメージが持たれており、公用車にするには好ましくないと考える人もいる。
これについて、専門家も同じ意見を持っている。ある専門家は次のように話す。市場の公平性から言えば、より多くのブランドが政府調達の競争に加わることはよいことだが、実際にBMWとベンツの低価格車種は一部のアウディより安い。しかし政府のイメージを考えると、政府調達にBMWやベンツなどの車種が加わるのはまだ早い。一部機関や地方は、実際の経済状況を考えずによい車を盲目的に買うようなことをしてはならない。
マーケティングの専門家は、BMWとベンツには豪華や成金などのブランドイメージがあり、中国政府機関が一貫してきた控えめで穏健、自制的といったイメージとかけ離れており、冷遇されているのが目に見えると考える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月19日