中国企業の課題はコスト、チャンスは国内需要

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発信時間: 2010-05-31 17:25:38 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国企業家調査システムがこのほど発表した「2010年中国企業経営者成長・発展専門テーマ調査報告」によると、企業がこれから直面する最大の課題は原材料コストと労働力コストの上昇だと回答した企業経営者は8割、これから迎える最大のチャンスは国内市場のニーズの伸びだと回答した企業経営者は7割に上った。

報告の基になったのは第17回全国企業経営者年度追跡調査で、同システムが企業経営者を対象として実施したもの。「企業が今後3-5年で直面する最大の外からの脅威は何か」について質問したところ、「国内の原材料コストと労働力コストの上昇」と回答した人が77.9%に上り、最も多かった。このほか、「行政の政策の変更と政府による干与の強化」とした人は28.9%、「顧客ニーズの変化」とした人は28.5%、「発展途上国の企業の低コスト競争」とした人は26.3%に上った。

「企業が今後3-5年間に迎える最大の外的チャンスは何か」をたずねたところ、回答者の75%が「国内市場のニーズの伸び」と回答し、他の選択肢を大幅に上回った。このほか「国際市場のニーズの再復興」が36.8%、「新業界や新製品の登場」が31.2%に上った。

企業の優位点についてたずねると、「生産力」と回答した人が65.7%、「営業販売能力」とした人が52.3%に上った。企業の劣位点についてたずねると、「研究開発能力」を挙げた人が47.7%、「資本・資金調達力」として人が45.9%に上った。

調査によると、世界金融危機への対応プロセスの中で、新製品と新業務の開発、製品のグレードアップやバージョンアップ、国内市場の開発などが、企業の主な対抗策となった。調査で対抗策として「新製品・新業務の開発」を挙げた人は66.4%で最多数を占め、「技術水準の向上、ハイエンド製品の開発」は50%、「中国国内市場の開発」は48.4%、「非中核業務の縮小、十分な資金・資源の確保」は32%に上った。

同システムの分析によると、全体として生産要素の低コストという優位点を中心とした低コスト・低価格競争から、海外・国内両市場を視野に入れた製品・技術の差異化競争に軸足を移すことが、ポスト危機時代における中国企業の基本的戦略の方向性となっている。また企業の独自開発能力と資本・資金調達能力の向上が、こうした戦略モデルの転換を達成するための重要な土台になる。

「人民網日本語版」2010年5月31日

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