中国家電量販大手の蘇寧電器(SUNING)がまたしても国際化の歩みを進めた。日本の同業大手であるラオックスの経営権を取得した蘇寧電器は6月8日、ラオックスの楽器店「MUSICVOX」を今月中旬にも上海か北京に出店することを明らかにした。
「MUSICVOX」の中国初店舗にはヤマハやローランドなど一流楽器ブランド150種以上の全ラインナップが輸入される。このほか店内には書籍やCD・DVD、その他付属品なども販売されるとのこと。国際金融報が伝えた。
中国では、すでに成熟しており競争が激しい家電小売市場と比べると、楽器販売市場はまだ未開発であり、大きなビジネスチャンスを秘めている。推定では上海地区だけでも2010年の市場規模は20億元(約268億円)近くになるという。
蘇寧電器は日本での経営ノウハウを「MUSICVOX」から学ぶことで、国際化の構図に新たな風を吹き込むと同時に、アニメゲーム、プラモデル・フィギュア、「3C製品」(家電・通信機器・コンピューター)の周辺製品などを扱う新しい店舗モデルの中国導入に向けた基礎を築きたい考えだ。
蘇寧電器によると、1年にわたって店舗構成の改善や管理向上、業務提携に取り組んだことで、ラオックスはすでに成長軌道に戻り、規模拡大に向けて再び歩みを進めている。蘇寧電器はラオックスの経営ノウハウと製品供給チェーンを活かして中国本土に「MUSICVOX」を10店舗前後オープンする計画。このほか、日本のライフスタイルを提案する雑貨店やアニメ専門店を中国の各主要都市で展開するとともに、中国家電ブランドの日本向け輸出にも一層力を入れるという。
「人民網日本語版」2010年6月9日