今年1~5月の鉄道関連の固定資産投資は実行ベースで1996億7600万元に上り、前年同期比18.2%増加した。中国はすでに、大規模鉄道建設のピーク期、大量の新路線の運営開始のピーク期、および新技術・設備の製造・運用のピーク期に突入している。
今年の鉄道固定資産投資には8235億元が割り当てられ、うちインフラ建設投資に7千億元が充てられる見込みだ。この巨額の投資は実際にどこに投入されるのだろうか。また鉄道輸送にどのようなプラスをもたらすだろうか。
▽輸送能力の大幅上昇
鉄道固定資産投資は主に、新路線の建設、複線化工事、既存路線の電化、鉄道車両などの輸送設備の購入に充てられる。
鉄道部の王勇平報道官によると、年末までに新路線4613キロメートルと複線3438キロメートルが運営をスタートし、鉄道輸送距離が8%増加する見込みだ。ここには旅客専用路線1669キロメートルの運営開始も含まれ、国内の高速鉄道の営業距離数は年末時点で4千キロメートルに迫り、輸送能力は70%拡大するとみられる。高密度、高速度、大容量、低エネルギーの鉄道輸送は、人々の行動半径や地域経済の版図を塗り替えることが予想される。
▽高まる路線ネットワークの密度
新疆ウイグル自治区を例に取ると、2010年の建設投資は193億4千万元に上り、建設中のプロジェクトは15件に達し、新疆の鉄道の建設規模・投資規模の記録を塗り替えた。うち投資規模は2008年の4倍に達する。現在の投資・建設ペースをみると、2020年をめどに自治区内の営業距離数は現在の3千キロメートルから約7千キロメートルに増加するほか、新たに登場する電化路線が1500キロメートルに達することが予想される。
今年の西部地域の鉄道営業距離数は2800キロメートルに達する見込みだ。2012年末には旅客専用路線や地域間幹線鉄道のプロジェクトを含めて、同地域では1万2千キロメートルが新たに運営をスタートし、営業距離数は4万キロメートルを超え、路線ネットワークの密度が倍加するとみられる。