北京市で鉄道交通の通勤時間帯における混雑が深刻化している状況を受けて、中国発展改革委員会(以下、発改委)は乗客の安全に対する配慮から、鉄道交通機関の運賃を見直し、価格のレバレッジ効果により混雑の緩和をはかることを明らかにした。国営新華社通信のウェブサイト「新華網」が伝えた。
北京市が公共交通運賃の引き下げ政策を実施して以来、公共交通の利用率は明らかに上昇した。同市の発改委によると、昨年の公共交通利用率は2006年より8%上昇して38.9%に達し、鉄道交通の利用率も同15%上昇した。また、同市地下鉄8路線の1日当たりの乗客数は今年、のべ400万人に達しており、安全に対する配慮から一部路線では通勤時間帯に規制を設けている。だが発改委は「北京市の地下鉄には、通勤時間帯の混雑やそれに伴う安全の問題、財政面での問題が確かに存在する」と率直に語る。
年初に同市の政治協商委員が提示した「通勤ラッシュ時の運賃引き上げ」などの提案について、関連の政府部門が回答した。同市の発改委は鉄道交通の運賃を見直し、価格のレバレッジ効果により交通集中を分散、とりわけ観光客や買い物客に通勤時間帯の鉄道利用を控えさせる狙いだという。
「人民網日本語版」2010年6月9日