上海万博の開幕からひと月が経ち、日本館はいつも行列が長く、ますます熱気を帯びている。一日あたり約2万人の入場者があると言う。
「心の和、技の和」をテーマにした日本館は過去、現在、未来の3部分からなる。第3ゾーンでは、中日友好の象徴ともいえるトキにまつわる物語が未来のハイテク技術を使って紹介されるが、アテンダントのユニフォームはそのトキをイメージしたデザイン。トキの嘴を思わせる帽子がなんとも愛らしい。トキは新潟県の「県鳥」で、佐渡、輪島両市の「市鳥」。国鳥ではないものの、日本のシンボルと認識されている。これはトキと日本人の生活との緊密な関係を示すものだ。日本の古典に「桃花鳥」と記されたトキは、1990年代に絶滅しかけ、2003年に最後の1羽が死に、完全に絶滅してしまった。中国は1999年につがいのトキを日本に贈呈。これ以降、中国産トキは日本で百数十羽にまで繁殖した。トキはすでに中日友好のシンボルとなっている。
日本館では、中国語の話せる日本人スタッフと中国人スタッフが各所に配置され、来館者を丁寧に案内している。ハイテク技術だけでなく、随所に 心づくしの日本らしいサービスが見られる。日本館のハイテク技術のなかでも特に目を引くのが、壁一面に広がるパナソニックの大画面テレビ「ライフウォール」だ。このライフウォールについて、同社海外企画部の渋谷俊彦氏にお話しを伺った。
日本館を参観中、上海に住んでいるという日本人のご一家に声をかけてみた。この日は万博会場に入ると、真っ先に日本館を目指し、一番乗りしたという。(人民網日本語版記者 小月)
「人民網日本語版」2010年6月17日