北京、上海、広州などの一級都市に暮らす若者は、「家が高い、車が高い、生活費が高い、お金が足りない」と常に不満を抱えている。そこで最近は一級都市を脱出して、二線都市に転居する若者が増加を続けている。「人民日報」海外版が伝えた。
新浪網が行った「あなたの町の生活の質は?」と題するネットワーク調査のデータによると、一級都市に暮らす人の74.1%が今の生活の質に満足していない。一級都市は質の高い生活を提供すると考える人は15%に満たず、コミュニティサイト「開心網」が行った「北京・上海・広州を脱出し、よりよい生活を送れる十大都市」についての調査には1万人の投票参加があり、ランキングには成都や杭州などの二線都市が並んだ。
非常に高い住宅価格、残酷ともいえる労働圧力、ひどい交通状態、汚染された環境、巨大な生活コストにより、ますます多くの若者が大都市を脱出するようになっている。
四川省科学院社会学研究所の胡光イ副所長によると、若者が北京・上海・杭州などの一級都市で「個人の効用の最大化」を達成するのは非常に難しく、加熱する競争が奮闘のエネルギーをもたらすこともあるが、その時間は長く続かない。人々は徐々に現実に戻る中で、分析や比較を繰り返し、そのうちの多くが環境が相対的に緩やかな二線都市に「転戦」して人生の目標を達成しようと考えるようになる。
これまでは多くの人により「大都市でうまくいかず、生活に困窮した人が、相対的に暮らしやすい二線都市に退去する」と考えられてきたが、胡副所長はそうではないと指摘する。二線都市に移動する人の中には、さまざまな事業で成功したり、一定の資本を積み上げたりした成功者が少なくない。こうした人々には一級都市で長年にわたって蓄積した物質的な資本と精神的な資本があり、これらを二線都市にもたらし、より順調に、より急速に投資を行ってさらなる発展を遂げ、人生の目標を達成することができるのだという。
北京・上海・広州などの大都市を脱出して二線都市に転居する中で、中国の若者たちは遠大に過ぎる人生の目標を徐々に調整し、より質の高い暮らしに近づいているといえる。
*イ:「火偏」に「韋」
「人民網日本語版」2010年6月22日