中国人民銀行(中央銀行)は人民元レートのさらなる改革を発表した後、人民元の対米ドルレート基準値を1ドル=6.7890元に設定した。ここから人民元の上昇傾向がうかがえ、年内に3%上昇するとの見方が一般的になってきた。人民元が上昇の途上で「ひとりぼっち」になることはなく、日本円を除くアジアの多くの通貨も今後、人民元とともに上昇の道を歩むことが予想される。「国際金融報」が伝えた。
今月28日、人民元の対米ドルレート基準値は1ドル=6.7904元から6.7960元の間を変動し、6.7932ドルで引けた。ここからわかることは、人民銀がさらなる改革を発表した後、人民元の弾力性が一層強まったということだ。だが人民銀は、人民元が大幅に上昇することはなく、今も大幅上昇の条件は整っていないと一貫して強調する。
スタンダート・チャータード銀行によると、人民銀がレート改革の発動を発表した後の最近の人民元の状況から、人民銀が人民元の対米ドルレートの一日の変動幅を一層自由化し弾力化してはいるが、0.5%という上限・下限を前提としていることが暗にうかがえる。
同行によると、今年下半期は、貿易の復興状況が続くのに伴い、国内の投資ニーズがペースを落として輸入の落ち込みを招き、貿易黒字が一層増加し、これが人民元の上昇圧力になるという。だが中国経済は下半期に減速し、8月以降には消費者物価指数(CPI)の上昇圧力が緩和され、人民元上昇圧力も緩和されるとみられる。総合的にみて、今後12カ月間の人民元の上昇は段階的なものになると予想される。
瑞銀財富管理研究部が28日に発表した報告では、今後12カ月間に人民元は3-5%上昇すると予測する。同行の予測では、今年下半期の人民元の対米ドルレート上昇幅は年率換算で3.23%となり、今後1年間の人民元対米ドルレート上昇幅は3.67%、今後1年半では4.99%になるとしている。
また瑞銀の指摘によると、人民元にうながされて、日本円を除くアジアの通貨が今後加速的に上昇していくとみられる。同行も今年第4四半期(10-12月)から、人民元の上昇幅が加速的に拡大し、日本円を除くアジアの通貨もこれにともなって上昇するとの予想を示す。
「人民網日本語版」2010年6月29日