中国外匯(外国為替)取引センターが2日に発表したデータによると、人民元の対米ドルレート基準値は1ドル=6.772元で、前取引日に比べて138ベーシスポイント上昇して、ついに6.78元を突破し、05年の人民元レート改革以来の記録を更新した。6月28日-7月2日の1週間のうち、3日は基準値が上昇し、2日は基準値が低下し、変動幅が190ベーシスポイントに迫った。「国際金融報」が伝えた。
市場ニーズを土台に、人民元の弾力性を高めることが必要だという。最近の人民元の直物相場をみると、6月19日に発表された人民元の弾力性強化という基調を明確に反映したものとなっている。最近では人民元上昇に対する市場の熱意もようやく収まりつつあるとみられる。
上海財経大学現代金融研究センターの奚君羊副主任は「最近、人民元レートの変動幅が拡大しているが、対米ドルレート基準値の100-200ベーシスポイントという変動幅はそれほど大きくないし、これくらいの変動幅が経済に何らかのマイナス影響を与えることも考えられない」と指摘し、「今後は、人民元の対米ドルレートが100-200ベーシスポイントの幅で上下に変動するのが徐々に常態化する。これからの人民元対米ドルレート基準値の動きは、米ドル相場の影響をより多く受けるようになるだけでなく、ユーロやオーストラリアドルなどの他の通貨の影響もより多く受けるようになるとみられる」と話す。
奚副主任によると、年内に人民元の対米ドルレートの上昇幅が3%を超えることはなく、それは3%以上の上昇幅と中国のマクロ経済の現状との間には大きなずれがあるからだという。一方では、下半期に中国経済の成長ペースは目立って鈍化し、このことが人民元上昇圧力をある程度緩和するとみられる。また一方では、中国の輸出情勢が日に日に厳しくなるのに反して、輸入の増加ペースは加速し、今年の貿易黒字は1千億ドルから2千億ドルにとどまる見込みだ。さらに下半期には、ふたたび貿易赤字の月が出現する可能性も排除できないという。
「人民網日本語版」2010年7月5日