(1)上り調子を示す6つの点
極めて複雑な国内外の経済情勢下にあった中国経済のこの半年を追ってみたい。
国務院新聞弁公室が行った15日の記者会見で、国家統計局の盛来運報道官(国民経済総合統計司副司長)は「この半年、中国の国内総生産(GDP)は前年同期比11.1%、消費者物価指数(CPI)は2.6%上昇した」と発表し、国民経済はマクロ調整の予測通りの方向に成長し、中国経済は総じて高成長、高就職率、低インフレを維持し、上り調子に進んでいるとの見方を示した。その理由を、盛報道官は次の6点から説明した。
▽実体経済から見ると、この半年の国内総生産(GDP)成長率は11.1%で昨年同期を3.7ポイント上回った。農業生産の状況もほぼ安定しており、夏作物の収穫は8億斤(1斤=500グラム)減少したが、新中国成立以来3番目の高収穫だった。一定規模以上の企業による工業増加値は前年同期比17.6%増と比較的速いペースで伸びている。
▽経済成長を牽引する三大要素をみると、内需と外需の経済成長に対する動力と協調性がいずれも増強された。この半年の全社会固定資産投資は25%伸び、昨年同期は下回ったものの、比較的高い伸びを示した。社会消費品小売総額は18.2%伸び、これも比較的速いペースで成長した。対外貿易も回復してきており、輸出入総額は同43.1%増、うち輸入が52.7%と著しく増加した。
▽経済環境をみると、この半年で消費者物価指数(CPI)は2.6%上昇した。うち1.4%は昨年の価格上昇、1.2%は新たな価格上昇によるものだった。物価は総じてコントロール可能な範囲でほぼ安定していた。
▽雇用状況をみると、都市部における雇用数は500万人以上増加、出稼ぎ労働者の就業数は632万人増加した。
▽経済成長の質が高まり、4大収入が比較的速いペースで伸びた。4大収入のうち、財政収入は27.6%増、一定規模以上の工業企業の利益は81.6%増、都市部と農村部住民の一人あたりの収入はそれぞれ7.5%と9.5%増加した。
▽重点分野においてマクロ調整による積極的な効果がみられた。6月のデータをみると、住宅価格が下落し始め、前の月に比べ0.1ポイント下がった。省エネ・排ガス削減に力が入れられ、第2四半期以降、高エネルギー業界淘汰のスピードが速まった。