中国「低賃金時代が終了」という言い方は時期尚早

中国「低賃金時代が終了」という言い方は時期尚早。

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発信時間: 2010-07-19 10:24:23 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

最近、報道でしばしば中国の高度発展の過程で現れた所謂「低賃金時代」は終わろうとしているとの論評を見かける。では中国はまさしく既に低賃金の状況を終える最終段階に来ているのだろうか。

ホンダでの労使紛争

中国に低い賃金水準をもたらしている要因は多くある。筆者は主なものは以下の3つの要因であると考えている。

先ず労働市場である。当初の「第十一次五カ年計画」の計画「綱領」の予測計算では本年に至るまでにわが国の労働者人口の総数は8.3億人に達し、都市部の新たな増加労働力の供給は5000万人となり、需給状況から見ると新たな就職口の数は4000万のみであり、これは労働力の供給と需要が1000万前後合わない事になる。ここから労働力の供給過多の問題が依然として存在する事と、更に疑いもなく賃金上昇への大きな圧力となり、新たな不確定性となっている事が見て取れる。労働者が現行の賃金レベルを心ならずも受け入れざるを得ないのは、労働力供給の過多という全般的な状況下での、一種のどうしようもない選択なのである。

第二は中国の賃金構造体系の不完全さである。現在のところ中国の賃金受給者は大まかにみて次の三つのグループから成る:第一は主として企業経営者から成り、一般に高額の年俸制である。次のグループは公務員及び行政関係者で、賃金は基本給と手当から成っており、手当の比率がかなり高い。あとの一グループは絶対多数を占める普通の労働者で、彼らの賃金は基本給であり手当の占める割合は小さい。このような賃金構造は収入の格差の大きな要因となっており、国家が賃金収入の格差を調整しようとするときの盲点であり、やっかいな点となっている。

第三として中国経済の不均衡性も低賃金現象の重要な要因である。労働集約型産業を中国からなくする事は、ただある種の望むところの姿にすぎない。この国の現実の道はこれらの産業を相対的に発達している東部から、同じく相対的に遅れている西部地区に移転させていく、これがあるのみである。しかもこの種の移転は徐々に継続して行なわれるのであり、ただちに低賃金状態に変化が起きるわけではない。

以上の中国の低賃金をもたらしている三大要因を分析して看て取れるのは、今の段階で中国の「低賃金時代の終了」を簡単に言うのは明らかに時期尚早という事である。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月19日

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