国連貿易開発会議(UNCTAD)投資企業局の詹暁寧局長はこのほど「2010年世界投資報告書」を発表し、「2009年の中国への海外直接投資(FDI)は約950億ドル、米国に次いで世界第2位であった」と述べた。
詹局長は、「2010年も中国の外資受け入れは安定した増加を維持している。一部では中国の投資環境は悪化していると言われているが、そのような状況は存在しない。中国の産業構造の高度化や世界経済の再均衡化などにより、中国の外資引き入れ政策に若干の変化が生じているのは確かであるが、全体的にいえば、この変化は外資の対中投資に有利である。一部の企業、労働集約型あるいは『両高一資』(高エネルギー消費・高汚染・資源消費型)の企業はある程度影響を受けるかもしれないが、ハイテク型、高付加価値型の企業にとっては発展のチャンスといえるだろう」と指摘した。
また、引き続き対外投資(特に製造業分野への投資)に力を入れることが中国経済の持続的発展、レベルアップの必然の条件としたうえで、「『投資発展の道』の仮説に基づけば、中国経済はすでに対外投資を大いに増やす段階にきている。現在、対外投資と投資受入の比率は1:2であるが、そう遠くない未来に1:1にしたい」と語った。
「世界投資報告書」はUNCTADが世界の海外直接投資の動向について分析した重要な報告書。毎年作成され、今年で20号目になる。報告書は、世界のFDI(流入ベース)は2010年に1兆2000億ドル以上、2012年には1兆6000億~2兆ドルに拡大し、2008年の水準に回復すると予測している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年7月26日