政治家は中産階級を社会安定の基礎とし、経済学者は中産階級を消費促進と内需牽引の主体、文化学者は現代文化の主役とみなしている。社会学者は通常、社会の60-70%の人口か家庭が中産階級であるべきだとし、こういった「紡錘型」こそが最も安定した社会だと認識している。温家宝総理もかつて、都市部と農村部の住民の収入を上げ、分配制度を改革し、徐々に中等収入者が多数を占める「紡錘型」社会を形成していくと強調した。
現在の中国は全力で「紡錘型」社会の構築に向け努力している。中国が「紡錘型」社会になるにはあとどれくらいかかるだろうか?今年初めに発表された中国社会科学院の研究報告によると、中国の中産階級は総人口の23%を占め、2001年以降、年平均1%のペースで増加している。北京工業大学と中国社会科学院社会科学文献出版社が共同で発表した「2010年北京社会建設分析報告」によると、北京の中産階級が社会階層に占める割合は40%以上の約540万人。この調子でいけば、30年後には中国は現在の「ピラミッド型」社会から「紡錘型」社会に移行するだろう。
2010年5月に発表された「世界の会社員指数調査」によると、中国では世界の平均水準の24%を上回る49%のホワイトカラーが起業を視野に入れていることがわかった。起業を計画している中国のホワイトカラーのうち61%が2年以内、26%が3-5年以内に起業したいと答え、起業への熱意をみせた。
これは第1代の中国のホワイトカラーの宿命であり、中産階級に入るために奮闘する歴史的使命ともいえる。中国が「紡錘型」社会となったときに振り返ると、このホワイトカラーの苦悩と努力と犠牲は価値あるものとなるだろう。
「人民網日本語版」2010年8月2日