アルカテル・ルーセント社が3日に明らかにしたところによると、中国電信(チャイナ・テレコム)と中国移動(チャイナ・モバイル)はこのほど、次世代ブロードバンドの核心技術として受動光ネットワーク(PON)ソリューションを使用することで同社と枠組み協議に調印した。年内に上海、江蘇、山東などの省・市でプロジェクト建設をスタートし、現在のブロードバンドネットワークのアップグレードを行っていくという。「経済参考報」が伝えた。
▽年間収入は1千億元規模
次世代ブロードバンドとは、個人宅での接続スピードが100Mbpsに達するブロードバンドを指し(ちなみに現在、中国の都市部における平均は2Mbps)、次世代インターネットおよび国の次世代基幹ネットワークにおける物理ネットワークの基礎となると見られている。
中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)の最新データによると、今年6月30日現在、中国のブロードバンドユーザーは約1億世帯にのぼる。次世代ブロードバンドにアップグレードする場合、それぞれの世帯で2千元ほどの費用がかかるとすると、その市場規模は2000億元にのぼる。
科技部、工業情報化部など7部門・委員会が発表した「光ファイバーブロードバンドネットワーク建設推進に関する意見」によると、次世代ブロードバンドネットワーク建設に向けた資金投入は、今後3年間で計1500億元にのぼるという。また、現在のブロードバンドの平均サービス料(1年間で約1000元)に基づいて計算すると、それだけでも年間1千億元の収入となる。
▽電信キャリア、広電総局、国家電網が市場争い
PON技術は、次世代ブロードバンドの核心技術だと世界的に認められている。このため、中国電信と中国移動が今回枠組み協議に調印したことで、業界内では電信キャリアが正式に次世代ブロードバンド戦略をスタートしたとの見方がされている。
このほか、国家広播電影電視総局(広電総局)や、国家電網公司も市場の見通しが明るい次世代ブロードバンドに目をつけ、さっそく行動を開始している。
広電総局傘下の広播電視計画院は7月末、モトローラとの間で次世代メディアネットワーク(NGB)の協力合意に署名した。
広播電視計画院はまた、三網融合(通信、放送、インターネットのネットワーク融合)の試行業務の一環として、2012年までに試行都市12カ所でブロードバンドの速度を100Mbps以上にし、光ファイバーと同軸のケーブルを組み合わせたHFCネットワークを中心に、FTTHを推進していく。
国家電網公司もスマートグリッドシステムの力を借り、次世代ブロードバンド競争に参加した。国家電網はすでに、スマートグリッドのサービスの中で、インターネットの個人宅接続サービスを提供していくことを明らかにしている。現在、スマートグリッドの試行を行う住宅コミュニティが瀋陽で着工しており、81世帯全てに光ファイバーが接続され、速度は20Mbpsに達するという。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年8月5日