私たちはアップルや東芝に対する民衆の怒りをかき立てる気はない。理性的な読者は「iPod製造での利益のパイで、アップルと東芝の取り分は大きく、中国はパイのかけらしか得ることができないのはなぜか」ということを私たちとともに研究すべきである。ここには「帝国主義」の陰謀もガンボートによる脅迫もなく、あるのはグローバル化の背景下における国際分担の地位の差だけで、それが世界の産業バリューチェーンにおける地位の違いにつながる。言い換えると、アップルと東芝が「肉を食べられる」のは中心となる技術、デザイン、ブランドがあるからだ。また、中国が「スープしか飲むことができない」のは、バリューチェーンをつくる中で安くて代替可能な労働力しか提供していないからだ。
当然、「スープが飲める」だけでも一つの進歩である。中国は改革開放前、「世界の工場」となる前、国際的な産業分担に参与せず、「スープさえ飲めない」こともあった。今でも、中国ほどのコスト面の優位性、規模の優位性、効率の優位性、インフラなどの面の優位性がないことで「スープが一口も飲めない」発展途上国は多くある。
しかし、13億人の人口を抱え、世界第2位の経済大国である中国の最終的な目標は「スープを飲む」ことではない。国際金融危機の中で中国は経済構造の調整、経済成長モデルの転換の実施を迫られ、余裕がなかった。中国は自身の革新能力を有し、コア技術を有し、さらには世界一流ブランドを有する必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年8月18日