商務部は先週、今年7月の外資系企業による対中直接投資は前年同月比29.2%増加したと発表した。この数字から、2009年8月以降、実行ベース外資導入額が12カ月連続で増加したことがわかる。外電によると、中国の外貨保有量が継続的に増加していることは、中国経済に対する外資系企業の信任票なのだという。国連貿易開発会議(UNCTAD)が行ったアンケート調査では、中国は引き続き多国籍企業に最も人気がある投資先であり、最も吸引力のある投資国だという。「人民日報」海外版が伝えた。
さまざまな事実から、いわゆる「中国投資環境悪化論」の滑稽さがうかがえる。
最近、一部の海外メディアが、関連機関で行われた中国市場に対する議論を相次いで報道し、中国の投資環境は悪化していると断定した。実際のところ、ある国の投資環境には、インフラ設備などのハード面での環境と、法律制度、投資サービス、対応する産業、市場、各種の資源・要素の供給といったソフト面での環境とが含まれる。改革開放からの約30年間に、中国政府はインフラ建設投資を拡大し、交通や通信などが急速に発展してきた。外資系企業の投資に関する整った法律制度がうち立てられ、法律に基づいて外資系企業の合法的権利を保護する上での土台となった。また政策の透明性の強化、審査・承認手続きの簡便化、審査・承認の権限授与の増加、「ワンストップ式サービス」の推進なども、外資導入に向けた開放的で適切な環境作りを助けている。
世界貿易機関(WTO)の分類によると、中国が承諾通りに開放したサービス貿易部門は100項目に及び、発展途上国の平均水準を大きく上回る。国境を越えた投資が国際金融危機の打撃を受けた2009年には、世界の対外直接投資は約40%減少したが、中国の外資導入額は世界2位で2.6%の減少にとどまった。在中国外資系企業の運営状況は全体として好調で、リターンも大きく、少なくない企業が親会社のグローバル業務の成長点となり、また利益の中心ともなった。今年上半期、米自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)は中国で120万台を販売し、100年に及ぶ同社の歴史の中で海外市場での売り上げが本国での売上を上回った初めてのケースとなった。ドイツの医薬品大手バイエル、米小売大手ウォルマート、韓国の自動車大手・現代、米家庭用化学品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などは、いずれも対中投資や中国業務の大規模な調整計画を検討中という。中国米国商会が発表した「2010年ビジネス環境調査報告」によると、昨年には中国にある米系企業の71%が黒字を達成し、91%は今後5年間の発展に楽観的な見方を示しているという。