このほか、近年は図們江地域開発計画をめぐる情勢に変化が見られ、中国、ロシア、北朝鮮、韓国、モンゴル、日本という構成国すべてが開発の具体化に注力している。
現在、中国の琿春からロシアのハサンまでの道路・鉄道、港湾、税関の建設協力プロジェクトが順調に進展しており、中ロ貿易は急速成長を続ける様相を示している。中朝貿易も5年連続で記録更新という安定した成長が見られ、朝鮮と中国吉林省の間で協力関係にあるアジア最大の銅鉱プロジェクトや会寧金鉱などのプロジェクトが交渉中である。北朝鮮は羅先経済特区の建設を世界的な加工貿易区・中継貿易区とする展望も抱いており、この計画を実現するために行政と法律の整備を進めている。
日本企業は近年、中国東北地方を生産と市場開拓の拠点としており、大連を始めとした都市で民間団体の間の協力関係が徐々に発展している。また中国吉林省では、自動車業を中心に日本企業が大規模な投資を行っている。韓国も図們江流域開発の産業協力プロジェクトの推進に注力している。
さらに、中国吉林省と日本鳥取県、韓国江原道、ロシア沿海地方、モンゴル中央県は「北東アジア地域協力地方政府サミット」制度を定め、毎年一回会議を開いて当地域の協力発展問題を討議することにしている。