▽東西にとって相互利益
同意見は移転する主な産業類型として、労働集約型産業、エネルギー鉱物資源開発・加工産業、農産品加工産業、設備製造業、現代型サービス産業、ハイテク産業、加工貿易産業の7つを挙げる。また今回の移転の重点は、労働集約型産業、エネルギー鉱物資源開発・加工産業、農産品加工産業の発展を引き継ぐことにあると指摘する。
徐常務副院長によると、グローバル経済が低迷する中、海外市場が縮小し、輸出型の産業、特に労働集約型の輸出産業はとりわけ大きなダメージを負った。これに加えて、国内では労働力コストと原材料価格が上昇を続け、東部沿海地域の伝統的な労働集約型産業は内陸部への移転を早急に迫られるようになった。
▽隠れた懸念もいろいろ
同意見は広く注目を集める中で予定通りに公布された。だが各地方の政府が繰り広げる海外資本・国内資本の招致合戦が、予想よりも早くすでにスタートしている。最近では、さまざまな「サミット」や「フォーラム」が、北京市、広東省、上海市でなく二・三線都市で行われるようになり、ますます多くの中・西部地区がチャンスをつかもうと、自分のところの都市を懸命にアピールするようになった。
宋教授によると、企業や資本の誘致は確かに重要だが、無計画であってはならない。産業の引き継ぎプロセスにおいて、各地方政府はそれぞれの優位点を明確にし、適合する産業を選んで発展をはかるべきだ。注意すべきは、環境問題を重視し、持続可能な発展の道を歩み、国内総生産(GDP)の伸びを無計画に追求してはならないということだ。また産業西移の過程で、産業チェーンの移転をどのように行うかは、重要視するに値する問題だ。産業移転というのは一つの産業や一つの企業だけを指すのではなく、産業チェーン全体を指すものであるからだ。
「人民網日本語版」2010年9月10日