日本に暮らして15年になる有人の話によると、日本企業には厳格な階層があるが、「カワイイ」部下は上司に可愛がられやすい。上司の方でも彼らを脅威とみなさないため、うち解けた上下関係が築けるという。こうしたわけで、大人たちの中には無意識に「カワイク」なることを受け入れる者が出てくる。こうした人たちの潜在意識では、社会人になることは子どもの成長のようなもので、だからこそ子どもで居続ける道を選ぶのだという。
だが最近、日本の識者からこんな声が聞かれるようになった。「カワイク」装い、ものを考えず、流行に押し流されるという行為は、日本民族の集団としての知力が衰退しつつあり、日本が低知力の社会に突入したことを示しているのだ、と。
日本の有名経営コンサルタントの大前研一氏は、最近の著作「『知の衰退』からいかに脱出するか?」の中で、バブル経済崩壊後の日本社会のさまざまな問題は、集団としての知力の衰退に原因があると述べて、各界の注目を集めた。