米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和政策の第二弾を発表したのに続き、世界銀行は3日に公式サイトで、中国とロシアの経済成長に関する予測報告を発表した。世銀は中国に関する最新の報告書「中国経済四半期報」の中で、2010年の国内総生産(GDP)成長率予測を、これまでの9.5%から10%に引き上げるとともに、各要因の影響を受けて、来年の中国経済の成長率は鈍化するが、引き続き健全な状態を維持するとの見方を示した。「国際金融報」が伝えた。
▽伸びが鈍化
中国国家統計局がまとめたデータによると、今年第1-3四半期(1-9月)の中国経済は前年同期比10.6%成長した。第3四半期は9.6%の伸びで、第1-2四半期より鈍化した。世銀は報告の中で、中国政府がうち出した経済刺激政策の影響が徐々に薄らぐのにともない、通貨供給が正常化に向かい、国内経済は温度が低がりつつあるが、現在の高度成長はなお強い輸出に支えられていると指摘し、来年の経済成長率を8.7%と予測する。
世銀によると、通貨政策と為替相場制度を調整し、通貨政策を運用した国内発展目標の達成の柔軟性を高めることが、中国が米国とのずれやホットマネーの流入に対応する上でプラスになる。世銀中国部門の韓偉森チーフエコノミストによると、現在、中国経済には上昇リスクと下降リスクとがともに存在する。当面の主な懸念は、資産価値の上昇、地方政府の財政難、銀行の不良債権、潜在的なインフレリスクなどで、マクロ経済政策を一層常態に回帰させ、政策制定の柔軟性を維持することが必要だという。