▽二番底の懸念なし
米国が引き続き外国向けにインフレを輸出する状況の下で、世銀は、中国は3-5%のインフレ率を懸念する必要はなく、インフレ現象は主に給与の上昇と電力価格の引き上げによって起こった、との見方を示す。世銀は今年の中国のCPI上昇幅予測をこれまでの3.7%から3%に下方修正したが、来年の上昇幅予測は3.3%とした。インフレが劇化することはないとみられるが、不動産価格上昇の抑制は困難だ。都市化の進展、収入の大幅増加、低金利により、今後も引き続き不動産価格は上昇する可能性がある。
世銀の指摘によると、第12次五カ年計画(2011-15年)では、産業構造の調整が改革の重点とされ、国内需要の喚起とサービス業の発展とが極めて重要な役割を果たすとされている。世銀は2010年の中国の経常収支の黒字予測を、これまでの2600億ドルから3200億ドルに上方修正したほか、外貨準備は今年9月の2兆6500億ドルから来年は3兆ドルに増えて、世界トップの座を維持すると予測する。あるアナリストによると、大規模な貿易黒字とホットマネーの流入が、外貨準備増加の主な原因だ。このほか米ドルの下落もその他の非米ドル建て外貨準備の価値を引き上げるという。
これと同時に、世銀は報告の中で、グローバル経済は成長の鈍化と不確定性とが併存する時期に突入したが、二番底の懸念は引き続き存在しないとの見方を示す。
「人民網日本語版」2010年11月4日