今年6月に中国人民銀行(中央銀行)が人民元改革の再開を宣言して以降、人民元の対米ドル相場は最高値を連日更新し、上昇幅は2%に達した。こうした中、人民元の国際化が加速すれば対米ドル相場が高止まりし、ひいてはブレーキが利かなくなるのでは、との懸念が複数の学者から示されている。
これについて、人民銀通貨政策委員会の李稲葵委員は、為替相場をめぐる問題の鍵は相場ではなく、主導権にあると指摘。「中国経済の構造調整には、より柔軟で弾力のある為替相場体制が必要となるが、この柔軟性や弾力性は他国に左右されるのではなく、自国で調整するべきだ」という。その例として日本経済を挙げ、対ドル円相場の主導権を握れなかったのに加え、持続する貿易黒字によって円高見通しが一層強まったため、ホットマネーが流れ込み資産バブルを招いた、と説明した。
「人民網日本語版」2010年11月4日