▽解決策は産業転換
労働者不足の大きな原因は、企業が提示する賃金が低すぎると見る人は少なくない。しかしこの答えを、企業の多くは否定する。
広東省佛山美楽宝玩具有限公司の責任者は「昨年は住居・食事付きで1500元だった月給を今年は2000元にまで引き上げたが、それでも誰も来ない」と苦衷を語る。玩具業界は多くが手作業で、きつい労働を強いられるためのようだ。広東省の家具メーカーの社長も、今年に入って人件費を30%上げたが、それでも人手が見つからないという。
中山大学財税学部の林江教授によれば、全体で見ると中国の労働力は十分のはずなのに、頻繁に労働者不足問題が起きる原因は、主に構造上の不均衡からきているという。もともと計算に入れていた労働者の流失と同時に、内陸部の多くの地域が産業転換した沿海地域の事業を引き継いだため、多くの労働者が家の近くで仕事を見つけられるようになった。内陸部の地方都市は大都市より生活費が安いこともあり、沿海地域に労働力が向かわなくなったのだ。
唯一の解決策は産業の転換による底上げを図ることだと専門家は指摘する。こうした構造上の不均衡を改めるには、企業が労働集約型から技術集約型に転換し、内と外の矛盾を改革していかなければならない。対外貿易企業が国内販売の道を主張しだした理由もここにある。
「人民網日本語版」2010年11月4日